この章ではクリエイター視点でのサウンド知識を掘り下げています。
サウンドクリエイターの仕事は学ぶべき範囲がとても広く、また企画、プログラム、画像に比べ、制作が終盤に近くなることが多く、期間や予算や容量を削られることも多いため(これはサウンドの宿命です)、それに対応しうる知識と応用力と論理力が必要です。
音楽や音の仕事というのは、学問として成り立つ音響や音楽の理論的な部分から、体で覚える演奏やグルーヴ、電気や数学的な知識、プログラミング、コンピュータの知識、データ管理など、挙げればキリがないほど沢山の知識や技術があり、そして各々のジャンルに仕事が分かれているのにも関わらず、サウンドクリエイターは必要な知識が多岐にまたがっており、ディレクションやプレゼン能力も大きく問われます。また、各々の知識は一見関係なさそうに見えて相互作用が非常に強いです。
もちろん、それぞれの知識は掘り下げるとキリがなく、全ての知識を一度に覚えるのは不可能ですし、僕にもこの世の音の知識にはまだまだ知らないことの方が多く、勉強は一生続けていかなくてはならないでしょう。
そして、本稿でとにかくサウンドの知識を詰め込むようなことをするのも、少しズレたことと思います。
そこで本稿では「サウンドクリエイターとして覚えるだけで即自分の戦力になったり、自分では覚え辛く現場で問題になりやすい知識への特効薬」ということに特化した知識をまとめていこうと思います。
音や音楽で生きていくことは、学び続けること。そして人と生きていくということです。
熱意と努力、夢と自信と初期衝動、仲間の大切さを忘れずに一緒に頑張りましょう。