Story #01

歌う人、聞く人に寄り添い
挑戦するための“STEP”を

w / 栗追 しい

音楽・ゲームを軸にしたVTuberとしての動画配信、リアルなイベントでのDJと、オンラインとリアルを行き来しながら活動の幅を広げているアイドル、栗追しいさん(以下、しいさん)。
活動の幅を広げながら自身の可能性を広げることに挑戦する栗追しいさんと、株式会社アットチュード(以下、アットチュード)の藤原、SARSHIがともに制作した楽曲が、しいさん初のオリジナルソング『STEP WITH C』。
その楽曲に込めた思いをうかがうなかで、アットチュードの仕事へのスタンスを再確認するインタビューを行いました。

WORKS

STEP WITH C | 栗追しい

作詞:栗追しい
作曲:SARSHI(at-tude)
歌詞アドバイス・録音・ミックス・トータルディレクション:藤原章人(at-tude)

BUMP OF CHICKENがきっかけでロキノン系(音楽雑誌「ROCKIN'ON」に登場するようなアーティスト・バンド)音楽に興味を持ち、ライブハウスに行くように。そこでライブハウスのスタッフからの誘いがきっかけでイベントに出演しはじめる。その後DJやDJとともにイベント内の賑やかし担当(しいさん談)になる。活動の幅を広げるなかで動画配信にも挑戦し、現在はVTuberとして歌やゲーム実況などを中心に配信活躍中。

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自分で書いた歌詞を
自分で歌う喜びを
体感してもらいたい

しいさん、アットチュードと今回のオリジナル曲『STEP WITH C』をつくることになったきっかけを教えてください。

しいさん

VTuber活動をはじめて、いろいろな動画を配信するなかで「○○を歌ってみた」という企画を定期的に配信していました。それを続けていくなかで、活動するうえで1回は自分の曲をつくりたいなという想いが強くなっていって。でも、どうやってつくったらいいかもわからないし、これは実現しないのでは、と思っていたときに、藤原さんと知り合い、オリジナル曲をつくってみよう、とお話をいただきました。お話をいただいた当初は、信じられなかったです(笑)

そこから、曲制作を開始して、制作中のエピソードがあれば教えてください。

しいさん

まず、本当に曲のつくりかたがわからなかったのですが、一番最初に、藤原さんから「歌詞を書いてみましょう」っていきなり言っていただいて。
しかも、収録から逆算すると、1ヶ月で歌詞を書かないといけなくて、1ヶ月で書けるのかなという思いでした。
でも、藤原さんに教えていただき、まずは気になるワードやセリフをバーっと書き出してみるということをして、また藤原さんに見ていただきワードにふるいをかけてもらいながら、つくっていきました。
録音などは経験もしていたので、今回の曲を生み出す作業のなかでは、歌詞を書く作業が一番大変でした。

藤原

僕から「歌詞を書いてみましょう」って言ったんでしたっけ?(笑)
ただ、歌詞を書く話になる前の時点で、しいさんが話す言葉や内容を聞いていて、思ったことをちゃんと言葉で扱うことができる人は歌詞をかけると思ったんですよね。
あと、“初めてのオリジナル曲”なので、何もかも任せきりになるよりも、自分の想いを言葉にできる歌詞を自分で書いたほうが、しいさんにとっていいと思いました。
自分で書いた歌詞を自分で歌う喜びを体感してもらいたいという思いも含めてですね。

しいさん

歌詞づくりを進めるなかで、私もそう思いました。試されているというと違うかもしれないですが、全部やってもらったら駄目だなと思って、藤原さんに助けていただきながら歌詞をつくりました。

藤原

最初からきれいに歌詞を書くことは誰にもできなくて、まずは思いついたことを箇条書きにして、そこから広げていければいいなと思っていました。
むしろ、一番大切でありながら一番難しいのが、“何を伝えたいか”を自分のなかで明確にするってことですね。その点で、しいさんは、比較的スムーズに進められていた印象があります。
また、別の視点でいうと、キーワードがいくつかあれば、曲の制作作業は進めることができるので、作詞と同時並行できるんです。

SARSHI

曲のタイトルにもある“STEP”っていうワードが序盤からあって、このワードに込められている想いを知ったときに、メロディが頭のなかにふと思い浮かんで。
そのメロディを一番インパクトのあるかたちで曲の冒頭に据えて、そこから全体をつくっていくことで曲自体は迷いなくつくれたので、比較的すぐにできました(笑)
ほかの作品だと、参考の曲などをいただくこともあるのですが、今回は、しいさんが喋ったときの雰囲気やこう歌ったら映えそうだなというイメージは意識してつくりました。
曲づくりって、一番伝えたいことをサウンドにするのか、歌詞にするのか、そのほかのこともありますが、今回は完全に歌詞主導で、しいさんの伝えたいことを伝えていく曲づくりになりました。

それぞれが踏み出したい一歩を
後押しするような曲に

みんなでつくりあげるなかで出てきたキーワードが“STEP”ですね。
しいさん、“STEP”に込めた想いや曲をつくるなかで感じた想いをお聞かせください。

しいさん

私もポップなイメージを思い浮かべてキーワードを出していたので、“STEP”はそのイメージ合うとに思っていました。
また、私にとってVTuber、配信活動は、人生のステップのように思っているので、自分にとっての挑戦でもありステップでもあるし、聴いていただく方にとっても、それぞれが踏み出したい一歩を後押しするような曲になったらいいなという想いを込めています。

藤原

しいさんの言う通り、“STEP”は一歩という意味ですが、曲のタイトルにも使っている“STEP WITH” とすると、歩調を合わせる、という意味があるんですよね。
そのタイトルの通り、しいさんが曲を聴いていただく方に寄り添うようなイメージが浮かぶものになればいいなと思っていたし、僕らの制作姿勢としてもしいさんに寄り添うように一緒につくっていきたいなと思っていました。
誰かに寄り添う曲であれば、制作側の僕たちもしいさんと同じ歩調で進めていきたいなと。

すべてが“STEP”でつながりますね(笑)
いいお話をうかがえたので、言葉の話から視点を変えた話題にさせてください。
藤原さん、アットチュードとしては、いつも今回のようにポジションごとでチームを組んで取り組んでいますか?

藤原

アットチュードの仕事の進め方としては、今回のように、基本的にはすべてチームプレーで進めています。その案件に応じて、チームを組みます。理由としては、単純に複数人数のほうが効率的ということと、アウトプットが偏った内容にならないようにするということがあります。
加えて、会社内部においても、個人プレーではなくて、組織としての知識であったり技術であったりを共有していかないと、ただのお金の共有をする組織にしかならない。それだと、アットチュードが望む組織にはならないかなと思っています。

「よりよい作品を一緒に
つくっていきましょう」
と向き合ってもらえる
姿勢が嬉しかった

SARSHIさんが今回の曲制作について、感じられたことを教えてください。

SARSHI

バンドマンやソロとして自分で曲をつくってきた経験を除くと、アットチュードとして作曲作業をするのは実は初めてでした。
だからといって、すごく意識をしたわけではないのですが、結果的に、アーティストとしての自分とアットチュードとしての自分の、いいとこ取りをしながら曲をつくれたのかなと思っています。
例えば、アットチュードでBGMをつくっている感覚で使っている音色だったりフレーズだったりを採用したことなどの技術的な面と、あとはマインド的な面でもうまくミックスできて、自分にとってもいい経験でした。
あと、エピソードとしては、今回は細かいリテイクはなかったのですが、仕上げていくなかで、しいさんにとってギリギリなくらい高いキーの方が、今回の曲のテーマにも曲のイメージにもふさわしいのではと思い、それを提案させていただき、最後にあらためて録り直しをさせていただきました。

藤原

完成の状態までいってからの録り直しだから、しいさんにとってかわいそうだなという気持ちもあったから迷ったんですよね。でも、SARSHIの言う通り、よりよくなりそうだなという思いもあって。

しいさん

私としては、そうおっしゃっていただいたときに、逆に、曲の完成間近だけれども、そこまでやっていただけるのか、と感じました。先程の「制作工程でも寄り添う」という点に通ずるのですが、最後の最後まで高い品質を目指していただき、よりよい作品を一緒につくっていきましょう、という姿勢で向き合っていただけることが嬉しかったです。

SARSHI

ほかの「歌ってみた動画」を見ていても、もっと高いキーがでると思ったんですよね。また、高いキーの方がしいさんの元気なイメージもより出せるということもあって。
曲はリリースすると一生残るものなので、やっぱりお互い中途半端なものを出したくないということもあって、録り直しをしてよかったです。

藤原

いまのベストを出したいという思いは確かにありましたね。それを積み重ねていくことでいまのアットチュードがあるし、しいさんにとって最初のオリジナル曲ということもあって、責任を持ちたいという思いも含めて。

私の活動のアンセムのような
ものになったかな
と思っています

しいさんのなかで歌詞以外の点で今回の曲で好きなポイントはありますか?

しいさん

“CLAP CLAP”や“STEP STEP”という反復させている点が気に入っています。つくるなかで、鼻歌などでも歌ってもらえるようになればいいなと思っていたので・・・

SARSHI

ぼくもそこは意識しました(笑)
今回は、曲の先頭でインパクトあるかたちで入れていますけれども、鼻歌で歌ってもらえるくらいに、どこかワンフレーズ頭に残るような曲にしたいと思っていました。
また、“CLAP CLAP”の部分は実際にクラップ(手拍子)の音もいれて、ライブ・DJなどでもお客さんが乗りやすい曲にするように心がけました。

実際にできあがった「STEP WITH C」を披露してみての反響、いかがでしたか?

しいさん

聴いていただく方の背中を押したい、寄り添えるような曲にしたいとお話しさせていただきましたが、そういう思いが伝わったのかなと思える反応を多くいただいてとても嬉しかったです。
就活頑張るよ、とか、受験頑張るよ、といった声もいただいたり、友人がDJイベントで流してくれた影響で動画を見ていただく方が増えたりしました。
また、私の活動のアンセムのようなものになったかなと思っています。いろいろな動画配信や活動をするなかでも、“栗追といえば「STEP WITH C」だよね”というイメージができてきているのかなと思っています。
自分でもなにかをはじめるときなどで聞き直します(笑)

最後に、今回アットチュードと一緒に曲をつくった感想を教えてください。

しいさん

繰り返しになってしまうのですが、やっぱり寄り添っていただいたなと思っています。
録り直しをした話もそうですが、1つの作品に対してよりよい作品をつくるために最後まで突き詰めていただいて、録り直しをする際も、またスタジオを開けていただいて時間をつくっていただいて。その追求する熱意というかプロ意識というか、そういった点は自分自身の活動に対しての意識を変えるきっかけになりました。
これまでだったら、作成した動画をそのまま世に放つところを、その前に、第三者に「この動画どうかな?」と聞いてみたり、内容を深めていくためになにができるかを考えたりと、向き合う姿勢を学ばせていただきました。

AFTERWORD

「あなたのための、すべての音を」という理念に通ずる“寄り添う”アットチュードメンバーの姿勢が、しいさんにもマッチして、制作することができた今回。
その背景には、アットチュードメンバーが、“つくる”ということに真摯に向き合っていることが重要に感じた。だからこそ、いろいろな物事へフラットに向き合い、それぞれがそれぞれを認め合え、思ったことを妥協せずに言い合えるコミュニケーションや制作環境を大切にしていて、クライアントとなるしいさんも交えてチームとして真摯に曲制作ができたのだと思う。

VTuberとしての動画配信、リアルなイベントでのDJ、主催イベントやオリジナル曲の2曲目リリースを視野にいれながら、今後もオンラインとリアルで挑戦を続ける栗追しいさん。
私たちアットチュードも引き続き、栗追しいさんを応援し続けるとともに、しいさんと同じく挑戦を続けていきたいと思います。