処方箋

はじめに

本稿はゲーム会社の人材養成所にてサウンド講師をしていた際に作成した、授業用の教科書を元にしたものです。
クリエイターの基礎知識、ミックス、効果音制作、シンセサイザーの扱い、サウンドプログラム制作についてまとめています。
対象をクリエイターに特化し、即効性を重視した特殊な内容ですので、ご覧になる前に以下の処方箋(注意点)をお読み下さいませ。
また免責事項、出典なども以下に明記致します。

サウンドクリエイターの特効薬とは?

サウンドクリエイターの特効薬とは

ゲーム会社の人材養成所にて、本採用の可否を決めるためのインターン中という限られた時間の中で、短期間に実践的な技術を伸ばすことをコンセプトにした教科書を元にしており、また他著にはあまりないクリエイターに特化した内容、または切り口があるため、当時よりサウンドクリエイターの特効薬と名づけておりました。とにかく早くサウンドの技術を伸ばしたいという方にお勧めです。

最初にお断りしておきますが、本稿では音楽理論については触れておりません。
僕自身が音楽に関しては完全に独学であり、それを教える技術を持っていないためです。
音楽理論の学習については弊社の岡素世先生による以下の書籍をお勧め致します。

  • 自由現代社 サントラ、BGMの作曲法
  • 自由現代社 DTM に役立つ音楽ハンドブック
  • 自由現代社 ポピュラー・ピアノ作曲術
  • 自由現代社 キーボードの知識・奏法がわかる本

本稿の特徴

この資料の他著にはあまりない特徴として以下の点があります。

  • 必要以上の専門知識は削ぎ落とし、要点を絞って覚えておかなければならない部分だけを書いており、即効性のある知識をコンセプトにしている。
  • 対象をサウンドクリエイターに特化しており、アーティストやエンジニア目線ではなく、クリエイターとしてのサウンド制作目線である。また、現場で役に立つ知識であればサウンド以外の実践的なノウハウにも触れている。
  • 効果音やサウンドプログラムの制作については、そもそも他に資料があまりない。
  • 筆者自身が音楽や音響などの専門的な教育を受けておらず、殆ど演奏できる楽器もない状態から、独学のたたき上げでプロになったため、0からの現場ノウハウという視点で記述している。

ただし、以下のような弊害があります。

  • 即効性を求めるため専門的知識に関して端折っていたり、乱暴な覚え方にしている点がある。
  • 企画力などの視点も入るため、パっと見ではそれで何故サウンドの能力が上がるのかわからずとっつきにくい。
  • 専門のエンジニアリングやアーティストとしての考え方には合わない。
  • 現場レベルの具体例については古い知識になりがちで更新が必要。

どのような方向けか?

この資料をお勧めしたいのは以下のような方です。

  • ゲームなどのサウンドクリエイターに特化した技術を知りたい。
  • とにかく早くサウンドの技術を伸ばしたい。
  • 専門書を買ったが具体的にどういう場面で使うのかわからず頭に入ってこない。
  • 効果音やシンセやミックスなどがどうやって勉強したらいいのか全くわからない。
  • 制作現場でクリエイター業務を効率良くする裏技が知りたい。

何故本稿を公開するのか?

以下の理由でこの資料を公開しようと考えました。

  • 会社として人を育てる気持ちがしっかりとあると示したい。
  • 素晴らしい資料をネット公開し自分を助けてくれた先輩に敬意を示したい。
  • 元となった教科書で教えていた教え子が、今素晴らしいサウンドクリエイターとして仲間になってくれているので、また同じように仲間を増やしたい。

注意事項・免責事項

  • 本サイトの文章、音声、映像、画像(ただし弊社により購入した画像素材、ご提供頂いた画像を除く)などの全ての権利は藤原章人、及び株式会社アットチュードが所持しております。
  • 本サイトの内容を無断で転用、転載(SNSなどでの引用は除く)、教材等として使用することはお断り致します。
  • 本稿の特徴でも触れていますが、即効性を求めるため乱暴な記述もあります。あくまで現場や会社や先輩の作法を優先させて下さい。
  • 本サイトの内容は経験に基づいた内容、またはインターネット、書籍等から得られたものであり、正確な記述を心がけておりますが、その内容において生じた損害などについては保障致しません。

本稿の参考文献など

本稿はottotto TOSS様のSOUND ENGINEERING BIBLEに多大な影響を受けております。
本稿は基本コンセプトがエンジニアリングではなく、サウンドクリエイターの制作技術に特化しており、また本稿にしかない特徴を前面に出すようにしておりますが、僕自身がTOSS様の公開されていた資料にて独学で学ばせて頂いたことでプロになりましたので、ミックスやエンジニアリングの部分に関しては表現が似てしまう項目があるかもしれません。
本稿を公開しようと思ったきっかけそのものの一つが、TOSS様へのリスペクトと感謝の気持ちです。予めご了承下さいませ。

  • 「キムラ式」音の作り方 | 木村 哲人
  • 音を作る | 木村 哲人
  • 映画録音技術 | 日本映画テレビ録音協会
  • 音を大きくする本 | 永野 光浩
  • 新・プロの音プロの技 | 永野 光浩
  • 現場で役立つPAが基礎からわかる本 | 目黒 真二
  • 図解雑学 音のしくみ | 中村 健太郎
  • エフェクターの全知識 (Players’ handbooks) | 安斎 直宗

藤原章人(ZeeF)
株式会社アットチュード 代表取締役/マニピュレーター/サウンドクリエイター/ BGM、効果音、音声組み込み、音声ROM管理、ミキシング、音声ディレクション担当。 北海道美深町生まれ、兵庫県西宮市出身。 報徳学園高等学校卒業後、バンド活動を経て2000年からサウンドクリエイターとして活動開始。 パナソニックシステムソリューションズ社のゲームコンテンツ(ゴルフやり隊、馬リオンなど2003年以降の全タイトル)のBGM、SE、サウンドプログラム制作を行いながら、 関西の複数のメーカーのコンシューマーゲーム、遊技機のサウンド制作に携わる。 関東に拠点を移してからはロックバンドのメンバーとしてマニピュレーターを担当し、多くの大規模会場にて公演を行いつつ、クリエイターとして複数の会社と数多くのアミューズメントやゲームサウンド制作、コナミ人材養成所での非常勤講師などを行う。 一般社団法人 日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ正会員。